創業当時からのこだわり
弊社は今年で創業76年目になります。
先代(現社長の義父)が創業した頃の想いや、なぜ小林メリヤスがスタッフが技術を継承しながらベビー子ども向けのニット商品を作り続けているかなどご紹介させていただきます。
昭和10年頃の製糸工場
小林メリヤスは戦後間もない昭和24年(1949年)の創業です。
今でこそ山梨県にあります南アルプス市は桃やサクランボ、葡萄などの果樹園が多くありますが、戦前戦中は、ほとんどが養蚕農家でそこから持ち込まれる繭で製糸業を営んでいました。
戦争中、軍が使用した「落下傘」の原材料となる「開繭(カイケン)ラップ」(蚕の繭から糸を取り出す工程で繭を煮て糸をほぐし糸巻き板などに巻き取る作業のこと)を行っていたので、終戦により廃業し使われなくなった糸が母屋の倉庫に眠っていました。
開繭(カイケン)ラップ
当時、男性は国民服か復員服、女性はモンペ姿で、着るもの食べるものに乏しい状況でした。
そんな中、
「この糸を何かに利用できないだろうか?」
と家族で考え、創業者の小林主夫(ツカオ)が手動の編み機を長野県の業者から買い受けて先ずは残った糸(シルク)を使いセーターをつくり始め、近隣の赤ちゃんや子どもたちに配り始めたところ、大変喜んでもらえたこともあり、
「そんなにお役に立てるものであればセーターづくりを、これからの生業にしていこう」
と決めて家族で編み始めました。
創業の頃①
すると近所で
「小林さんが何かいい仕事を始めたよ。」
と噂になり主婦の皆さんが大勢集まってくれて、大量生産が出来るようになり、戦後の厳しい時代の中で商売を順調に始めることが出来ました。
創業の頃②
そんな創業当時の想いや、当時地元の皆様に助けていただいた恩義もあり、76年経った今でもベビー子ども向けの商品をつくり続け、繊維の国産比率が1%台になった現在も「国内生産」にこだわり、地元の雇用を続けながらスタッフがものづくりの技術を継承していく会社であり続けるよう精進しています。
木村 彰